『心配してる』と言うことが心配しているわけじゃない。 - コミュニケーション博士の話し上手になる方法

『心配してる』と言うことが心配しているわけじゃない。

『心配してる』と言うことが心配しているわけじゃない。

突然ですが言い切っちゃいます。これは真理です。『心配してる』と言うことが心配しているわけじゃありません。 こんなの典型的な偽善者です。卑怯者です。騙されないように。

おいおい。これはいったいどういうことだ。いきなり何を言っているのでしょうか。 だって心配だから心配って言ったんだろ。じゃあどうすればいいんだ。何も言わずに観ていればいいのか。

こちとら会話が上手くなりさえすればよかったのに。ついていけません。お門違いです。

言うだけタダ

心配してると『言うだけ』の人が偽善者です。さっきは言葉足らずでした。本当に心配している人も『心配してる』と言うことは言います。だって心配してるから。

『心配してる』は言うだけタダなので簡単に良い人ぶれる魔法の言葉です。頭をぶつけた人に『大丈夫?』とか、怒られてしゅんとしてる人に『こういう日もあるさ』なども似たような言葉です。

『心配してる』と声をかけるまでは良いのですが、問題はそのあとです。優しい言葉を言うだけで何も行動しない人は偽善者です。ホントの優しい人は言葉だけでは終わりません。 要は『解決するまで心配する』ということかな。

親身になっていない

自分が悩んでいるときは解決しないまま終わらないじゃないですか。自分の悩みが『心配だ。』の一言で終わるわけがない。実行可能なアイデアをひねり出すまで悩むはず。 一言声をかけて解決せずに終わる人は人事だと思っています。親身になっていません。偽善者です。卑怯者です。

また、『仕事やめようかな・・・』と相談したところ『お前はどうしたいの?』『今やめて就職できるの?』と質問ばっかりしてくるヤツも似たようなケースです。内心は『どうでもいい』と思ってます。 全部相手に考えさせています。一見相談に乗っているようで何にもしていない。

自分が悩んでいるときに質問ばっかりするわけがないです。『今やめて就職できるの?』と疑問を持ったら調べます。 せめて『今やめて就職できるかなぁ・・・』です。自分のことのように悩まないと。でも『お前はどうしたいの?』は聞かないと始まらないけどね。

偽善者は悪くない。

さて。一言で終わる人は人事です。親身になっていません。というところまで理解できました。じゃあ俺は他人の事も解決するまで付き合うぜ。 偽善者になりたくないからね。悪い奴嫌いです。

と、思った方もおられることでしょう。それは言い過ぎです。 偽善者は悪い奴じゃありません。普通の人です。『何もする気はないけど良い人と思われたい。』って普通です。何もしないんだからプラマイゼロです。何も悪くない。

人が嫌がることをする人が悪い奴です。全然違います。偽善者のほうが遥かにマシです。大人になって偽善者になれれば十分です。立派です。むしろ偽善者は社会を生き抜くことに一番適しています。

ただ、『ホントに優しい人は口だけじゃ終わらないよ』って話です。偽善者を良い人と思わないようにしましょう、それは普通に人です。という話です。

余計なお世話に注意

さて。親身になって自分のことのように解決するまで必死になるのが本当の心配している優しい人。ということですが。ここで注意したいのが『余計なお世話にならないこと』です。 相手が望んでもいないのに自分のことのように心配されても逆にウザイです。

私も経験あります。会社をクビになった後輩がいたんですよ。IT系の仕事をやっていて一年間で仕事を何にも覚えられずにクビになったらしいです。 それで私が、丸一日かけて世の中のいろんな職業を調べてその後輩を呼んで説明したんですよ。

そしたら凄い不快な顔をしてた。他の業種を調べたことが余計なお世話だった。後輩はまたIT系の仕事をするつもりだったみたいです。 『一年間で仕事を何にも覚えられなかったんだから別の職種に変えるだろう』と私が勝手に思ってしまいました。

まぁ、他人事で親身になって必死にやるのはいいけど勝手に暴走しないように。

『お前はどうしたいの?』と聞いておいて否定するヤツなんなの?

そういえば。さっきの話でもう一つ言いたい事がありましたのでそれを書きます。忘れていました。会話をしていれば話が前後することぐらいよくあります。 それで、言い忘れたこととは・・・ズバリ『「お前はどうしたいの?」と聞いておいて否定するヤツなんなの?』コレです。

例えば『仕事をやめようかな・・・』と相談されて『お前はどうしたいの?』と、まぁジャブから入るじゃないですか。相手のやりたいことを尊重するのが相談の基本です。

それで『子供の頃から夢だったミュージシャンをまた目指したい。』とか言われて『いや、もう無理だろ。』みたいな。

このやりとりの意味がわかんないです。じゃあ聞くなよ。何のために相手がやりたいことを聞いたんだ。 『ミュージシャンをまた目指したい。』と要望が聞けたのでその方向で話を進めないとダメじゃん。

親身になるって難しい

要は親身なるって難しいんですよ。普通は出来ません。だって他人事だから。 『上司が理不尽なことばっかり言う。』 『じゃあ文句言えば。』 それが出来ないから相談するんだよ。

でも『文句を言えない人がどうするか?』なんて思いつきません。自分と違う性格の人の気持ちにならないと実行可能な案は出ません。 どうせ他の案を出しても全部『それはちょっと・・・』と言われます。相手の性格になって考えられないんだからしょうがない。

優しいって同時に頭が良いです。諦めましょう。言葉だけかければ上出来です。偽善者で十分だ。 ただ、『ホントに優しい人は口だけじゃ終わらないよ』って話です。

おさらい

  • 自分が悩んでいるときは解決しないまま終わらない。
  • 疑問を持ったら調べる。
  • 大人になって偽善者になれれば十分。
  • 会話をしていれば話が前後することぐらいよくある。